レポート

雨の日が待ち遠しくなるアート【2016年レポート】

2016.10.15~2016.11.16 | レポート

企画名雨活の街すみだで、雨の日だけのパブリックアートをつくろう!
  • 団体名 : NPO法人 雨水市民の会
  • 開催日 : 2016年10月15日 (土) ~2016年11月16日(日)
  • 会場 : 雨水市民の会事務局(墨田区向島5-49-3 鳩の街通り商店街内)及び周辺

 みなさんは、墨田区が日本における雨水活用のパイオニア的存在だということをご存知でしょうか? 区内には、東京スカイツリーや両国国技館などの大型施設をはじめ、学校やビル、一般家庭といった多くの場所に雨水タンクが設置されており、都市型洪水の防止や災害時の非常用水などとして役立っています。

 

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 今回お邪魔したのは、そんな雨水と深い関わりのある墨田区ならではのイベント。10月15日(土)と16日(日)に、向島の「鳩の街通り商店街」にある「雨水市民の会事務局」周辺で開催されました。「鳩の街通り商店街」は約90年の歴史があり、レトロな雰囲気が漂う商店街です。商店街のある向島や京島は、東京大空襲の被害が少なかったため、当時の街並み 家屋が多く残るエリア。そのため、道幅も戦前から変わってないという場所も多く、ご覧のとおり、商店街の道も車一台が通れるぐらいの道幅です。

 

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 会場の中心となる「雨水市民の会事務局」は、商店街の中ほどにあります。軒先にある天水桶と雨水タンクが目印です。私が参加したのは、15日(土)15時の回。少し早めに着いたので周辺をぶらぶらしていると、スタッフの方が前の回で作った“雨の日だけのパブリックアート”を見せてくれるとのこと。当日は晴れていたので果たして見られるものなのかと思いつつも、導かれるままに商店街の美容室「ミヤンコー」へ。

 

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スタッフの方が何もないコンクリートの上にじょうろで水をかけると、「雨」という文字や傘、雫などのイラストが浮かび上がってきました。思わず、私は「なるほど! だから雨の日だけなのか」と感心してしまいました。

 

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からくりは簡単です。このように、北斎をイメージさせるような青海波や傘、雫など、浮かび上がらせたい模様の型紙をつくり、それらを自由に組み合わせてアートを作っていきます。型紙をコンクリートの地面にしっかりと固定するのが模様をきれいに浮かび上がらせるポイントです。その上から、はっ水スプレーを吹きつけ、型紙を外したら出来上がり。あとは、雨水を待つだけです。雨の日にはどうしても商店街を訪れる人が少なくなってしまうため、集客にもつながればとの思いもあるそうです。

 15日(土)15時の回には、武蔵野市の「水の学校」サポーターの皆さんが10名ほど参加されていたほか、なんと札幌から来たという方も。水や雨水活用に関心がある方々が集まったので、まずは墨田区の雨水活用についての質問や意見交換などがなされました。
 雨水タンクは建物にだけあるものではなく、「路地尊」 タイプのものもあります。周辺の家屋の屋根から雨水を集めて、地下のタンクに雨水を貯め、必要なときに手押しポンプで汲み上げられる仕組みです。墨田区内には21か所に路地尊があり、この近くにもあるというので、みんなで見学に行ってみました。

 

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こちらの路地尊は第2号基。消防車も入れないような狭い路地では、この路地尊が災害時に役立ちます。実際に、近隣でボヤが起きたときに、この路地尊を使って住民の方々がバケツリレーで火を消し止めたとの逸話も残っているのだとか。
路地尊の日々の管理は、住民の方々に任されているとのこと。路地尊について説明を受けたり、ポンプで水を出したりしていると、近所の方に声をかけられました。うるさいと怒られるのかしらと思いきや、「ここはきれいにしておかないといけないので、毎朝掃いているのよ」とにっこり。色々な人が見学にも来る場所なので、きれいな状態にしておきたいのだそう。下町らしいあたたかさと、おもてなしの心を感じたひと時でした。

 

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 さて、いよいよメインイベントです。商店街の中にある路地尊「はとほっと」で、雨の日だけのパブリックアートづくりがスタート。みなさん、思い思いの型紙を手にデザインの配置を決め、はっ水スプレーをかけていきました。

 

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するとそこへ、近所の第一寺島小学校5年生の男の子2人が飛び入り参加。運動会の帰りだという2人は、長靴とカタツムリの型紙で挑戦し、一番きれいに模様を浮かび上がらせていました。感想を聞いてみると、「楽しかった! 違う型紙でもやってみたい」と満足そう。

 

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最後に、この日の大作の出来栄えをチェック。北斎漫画に登場するモチーフをもとにしたデザインです。こちらは他のボール紙でつくった型紙と違い、全てテープでかたどっており、この一か所にしかつくれません。テープをはがし、ゆっくりと水をかけていくと、とてもきれいに図案が浮かび上がってきました。

 

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16日(日)には、北斎の赤富士の大作に挑戦したとのこと。雨の日には、鳩の街商店街の様々な所で、北斎や雨にちなんだ模様が浮かび上がってくるはずです。11月20日(日)11時と13時には、お天気に関わらず作品鑑賞&ガイドツアーを行う予定。雨の恵みを改めて感じつつ、ぜひ向島散策に出かけてみてください。

 

レポーター:岩本 恵美(いわもと えみ)

東京・下町生まれ、下町育ちのライター・編集者。Webメディアや新聞紙面の制作に約10年携わり、2016年よりフリーランスに。アートや音楽などカルチャー全般が好きで、食わず嫌いのない雑食系です。趣味は、東東京を中心とした街歩き。「すみゆめ」を機に、墨田区をどんどん開拓していきたいと思います。

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