隅田川沿い、隅田公園から牛嶋神社の周りを舞台に、踊りとうらないの場を開く「すみゆめ踊月夜」。多彩な歌い手や演奏家を迎え、耳馴染みある音頭からオリジナル楽曲の数々を生演奏。まるく輪になって踊ったり、懐かしの曲に地元のお祭りを想ったり、鎮魂の舞を静かに見つめたり、あなたが心のままに楽しめる時を提供します。そして夕闇迫る頃には、公園のあちらこちらに、独自のうらないを供するアーティストたちが現れます。うらないを通じ共に遊ぶ時間の中に、過去・現在・未来の自分を映し、明日の振る舞いを決める手掛かりが見出せるかも――。さまざまな人が混ざり、思い思いに時を過ごしながら、他者と接続していく2日間です。
2022年11月5日(土)
2022年11月6日(日)
*1ジンタらムータ:こぐれみわぞう、大熊ワタル、服部夏樹、木村仁哉、イトケン、サルディ佐藤比奈子、小山理恵(11/5)、関島種彦(11/6)
*2生演奏盆踊り:炭坑節、八木節、東京音頭、相馬盆歌、北海盆唄、ドンパン節、オバQ音頭、生きなっせ(作詞作曲:柳原陽一郎、振付:にゃんとこ)
プロデュース岸野 雄一
出 演
ジンタらムータ/Jinta-la-Mvta
圧倒的な祝祭性・実験性など唯一無二の無国籍音楽として知られる「シカラムータ」の大熊ワタル(clarinet,etc)と、新世代チンドンの旗手こぐれみわぞう(チンドン太鼓、箏、vo.)を中心とする越境的チンドン楽団。日本独自の街頭音楽としてのチンドンを軸に、バルカン、クレズマー(東欧ユダヤ系民衆音楽)など広場的音楽の新たな解釈に取り組み、ワールドミュージック楽団として海外での公演も多数。実用的な大衆芸能として結晶化したチンドン音楽の源流には中世以来の救済・鎮魂の響きがあり、盆踊りは基本に立ち戻る機会。今回は、和太鼓に小林太郎(11/5)久下惠生(11/6)を迎えた8人編成で登場する。
民謡クルセイダーズ
ギタリスト田中克海と民謡歌手フレディ塚本の2名により、民謡を「民衆のための音楽」として復活させることを目的として、2012年に福生周辺の辺境音楽好きが集まり結成された。日本の伝統的な民俗音楽である民謡を、カリブ音楽、ラテン音楽、アフリカ音楽を含む様々な世界の音楽に触発されたアレンジで再構成して演奏し、世界中で大きな反響を得る。2018年フジロックをはじめ、国内外の様々な音楽フェスティバルに出演し、2022年8月には大規模な世界ツアーを実現している。
モノガタリ宇宙の会
2015年5月、初代桜川唯丸流の江州音頭講座として開講。以来、大阪への研修や講師の招へいも交えて都内での学習を進めつつ、実践の機会として関東圏でのイベント出演および企画を行ってきた。出演に「中野区大和町八幡神社例大祭 大盆踊り会」(2018~)、「ふっさ妖怪盆踊り」(2019)、「すみゆめ踊行列『さくらばし輪をどり』」(2019)、「2021年亀四フェスタ」など。主な企画に「東西音頭交流会 音頭流星群」(2019)。
Donuts Disco Deluxe[ANI/ロボ宙/AFRA]
スチャダラパーのANIとロボ宙、そしてAFRAで構成されるサウンドシステム。それはANIのブレークビーツ図書館からエディットサンプルされ、ロボ宙はユニークな感覚で俳句とブロックパーティーをライムで繋げる。WORLD CLASSビートボクサーAFRAが色々な世代と色々な国や様々な音楽をハートビートで繋げてくれるだろう。2022年初の7インチレコード「ディスコラップ」をリリース!
にゃんとこ
イラストレーター・踊りコ・祝福芸 秋田万歳の万歳師。広告、書籍、パッケージ、グッズなどのイラストを手がけるほか、自主企画の開催、イベント出演、民謡リリース監修、各地の祭り・盆踊り・民俗芸能・催し情報の発信など幅広く活動。斎藤ぽん、すーの二人組。
中西レモン
初代桜川唯丸江州音頭通信講座・モノガタリ宇宙の会世話人(2015年~)。絵を描いたり、歌を歌ったりぶらぶらしたり。郷土芸能に取材した絵画展『掛唄』(2002年)。ダンス・パフォーマンスに関する上演企画『畳半畳』(主催、2004~14年)。江戸期に中国より輸入された絵画技法書を教科書とした勉強会「懐烟画譜」(画家・高村健志との共催、2016年~)。瓦版などで流布した庶民の歌や語物を読む会「庶民の芸能を読む会」(2017年~)。編集『インタビュー・資料集 豊島の盆踊り音頭』(2014年、てしまのまど)。あがさプロデュースによるCD『ひなのいえづと』(2022年、DOYASA! Records)。
柳家小春
江戸の音曲師(三味線弾唄い)。1991年、名人といわれた寄席音曲師「粋曲」の柳家紫朝に入門。江戸音曲の数々(端唄俗曲、新内)を習得し、師匠譲りの粋な芸を伝承する。また枠に留まらず、さまざまなジャンルのアーティストとの共演や明清楽月琴の演奏、明治生まれの作曲家・藤井清水の創作民謡の演奏、ボーダーレス音楽ユニット「attc vs Koharu」、ボサノバを日本語で歌う「和ボサ」など音楽活動は多岐にわたる。
山田参助
漫画家・歌手。代表作「あれよ星屑」。現在、日刊ゲンダイにて「新やる気まんまん オット!どっこい」連載中。音楽では武村篤彦とのデュオ「泊(とまり)」を中心に活動。CDレーベル「ぐらもくらぶ」企画による戦前の流行歌の録音状況の再現を試みたCD「大土蔵録音2020」(山田参助とG.C.R.管絃楽団)が34回ミュージック・ペンクラブ音楽賞ポピュラー部門最優秀作に選出された。
Likkle Mai
DUBバンドDRY&HEAVYの元ヴォーカル、2005年ソロに転向。アルバム『mairation』(2009)と『DUB IS THE UNIVERSE』(2010)がミュージックマガジン・ベストディスク日本レゲエ部門第一位に輝く。ギタリストThe KとのユニットLikkle Mai & The Kの活躍は国内外に及ぶ。2014年、被災した故郷を描いた「きたぐにのはる」、2018年「V-I-C-T-O-R-Y」「Rise Up」、2021年アンチ・レイシズムソング「ネット横丁」とコロナ禍の日々を歌う「ひきこもりのひきこもごも」をリリース。最新作に「DUB NO FRONTIRES」V.A.。レゲエからロック、民謡に至るまで幅広く活動する稀有なシンガーである。
山口屋左七
1990年代半ばから幻の名盤解放同盟イベントで司会を始める。21世紀から錦糸町河内音頭の運営に関わり、2009年からは錦糸町河内音頭司会。その他、女流義太夫楽屋裏お手伝い、墨田区内の各種イベントお手伝いなど。カレーライスで言えば福神漬けのようにあってもなくてもいいけれど、あれば嬉しい存在になりたいと思っている。
炎上寺ルイコ、南牧夫
錦糸町では河内音頭の盆踊りだけではなく、大阪から山中一平師匠を迎えての河内音頭教室が開かれている。今回はその生徒からイラストレーター、社会派演歌歌手としてもお馴染みの炎上寺ルイコ、木馬亭の客席にこの人あり、上州のからっ風で鍛えた喉が自慢の南牧夫の二人が登場。すみだの河内音頭、踊りだけでなく歌も存在感を増している。
江戸消防記念会 第六区六番組
墨田区の本所、向島地域を持ち場とし、木遣り、纒振り、梯子乗り等の江戸町火消し文化を保存、継承している。
お囃子・一睦囃子/獅子舞・寿獅子
牛嶋神社の祭礼や東京スカイツリー・ソラマチ広場など、広範囲に活動を続けている。墨田区にとって大事な文化遺産を継承する。
パピポンズ
オリジナル曲や、様々な地域の民謡をご当地に合わせてアレンジする盆踊りのチーム。あなたの住むまち、音頭で盛り上げる!
本所魁太鼓
牛嶋神社の氏子、本所一丁目の祭礼を中心に子供から大人までの太鼓で活躍している団体。
日本ラテンアメリカ友好協会 – Groups: Mexico en la Piel – Catrinas Xochiquetzal
メキシコやボリビアには、日本におけるお盆の盆踊りと同じく、死者を偲びそして感謝し、生きる喜びを分かち合うことを目的としたお祭り=ダンスがある。死者の日(Día de Muertos : ディア・デ・ムエルトス)と言い、毎年11月1日と2日に祝われる。墨田区は過去に震災や空襲といった火の災害をうけた地区。広い視野で追悼、鎮魂の意味を込めて、グローバルな踊りを取り上げた。
ボリビアの死者追悼の踊り Bolivia dance chacarera “Dia de todos Los Santos en Bolivia”
メキシコの死者追悼の踊り Mexico dance llorona “Dia de todos los muertos en Mexico”
出演:稲見里恵(オペラ歌手・ソプラノ)
よへほ節(山鹿灯籠踊り)
ご指導:中村静枝先生
よへほ節は熊本県山鹿市の民謡の一つ。遥か古代から受け継がれた灯籠を頭上にのせ、優雅に舞い踊る。毎年8月15日、16日に開催される「山鹿灯籠まつり」の中で、「千人灯籠踊り」は、夕闇に浮かび上がる揺らめく灯籠の光と踊り手の一体感が、見る人を幻想的な世界へと誘い込む。今年、豪雨災害に見舞われた熊本地方に向け、哀悼の意味を込めて、またコロナ禍で隅田川の灯籠流しも延期になったことから、隅田川の川辺でこのよへほ節が踊られた。
岸野雄一
東京藝術大学大学院映像研究科、美学校等で教鞭をとる。「ヒゲの未亡人」「ワッツタワーズ」などの音楽ユニットをはじめとした多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。銭湯やコンビニ、盆踊り会場でDJイベントを行うなど常に革新的な場を創出している。2015年、『正しい数の数え方』で第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門の大賞を受賞。2017年、さっぽろ雪まつり×札幌国際芸術祭2017「トット商店街」に芸術監督として参加。
2022年11月5日(土)16:00~20:00/11月6日(日)15:00~19:00
◎隅田公園そよ風ひろばに、居間 theaterが案内所を設けます。
「うらないうら道」に導く入口となりますので、まずはお立ち寄りください。
企画・構成居間 theater
参加アーティスト
荒木知佳(俳優・書道)
フリーで俳優活動をする中、幼き頃から学んでいる書道と身体の繋がりを模索し、書道パフォーマンスを創作・披露。土地や水流、自然と線の関係に興味がある。俳優としてFUKAIPRODUCE羽衣「愛死に」、毛皮族「Gardenでは目を閉じて」、スペースノットブランク「ウエア」などの作品に参加。「KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD 2020」ベストダンサー賞、第32回マルセイユ国際映画祭(FID)にて杉田協士監督『春原さんのうた』で俳優賞受賞。
今和泉隆行|地理人(空想地図作家)
7歳の頃から実在しない都市の地図を描く空想地図作家。大学生時代に47都道府県300都市を回って全国の土地勘をつけ、地図を通じた人の営みを読み解き、新たな都市の見方、伝え方作りを実践中。東京都現代美術館「ひろがる地図」(2019)をはじめ、各地の美術館にも出展。主な著書に「みんなの空想地図」(2013)、「『地図感覚』から都市を読み解く―新しい地図の読み方」(2019)。
遠藤麻衣(俳優・美術家)
身体を通じたおしゃべりやDIY、演技といった遊戯的な手法を用いる。遠藤は、民話や伝説といった史料や、ティーン向けの漫画やファンフィクション、婚姻制度や表現規制に関する法律など幅広い対象の調査に基づき、クィア・フェミニスト的な実践を展開している。主な個展に、「燃ゆる想いに身を焼きながら」愛知県立芸術大学サテライトギャラリーSA・KURA(2021)。主なグループ展に、「フェミニズムズ」金沢21世紀美術館(2021)、「ルール?」21_21 DESIGN SIGHT(2021)など。
しば田ゆき(バリスタ)
「オトナリ珈琲」代表。コーヒーにまつわる人のインタビュー等を掲載するWEB「オトナリ珈琲」と神保町にある実店舗を運営。コーヒーを媒体としたワークショップやイベントを各地で行うほか、個展「あの時の珈琲展」(2018)、Aokid主催「どうぶつえん」(2019・2021)参加、「Ttime-味をとる」(2021)など。
たくみちゃん(アーティスト)
分断のない世界をつくりたい。その過程で独自のインプロヴィゼーションを構築する。パフォーミングアーツ・美術・演劇など領域横断的に活動し、2018年より自身が審査員を務め優勝を決めるコンペティション「たくみちゃん杯」を主催。メソッドを交換可能なものにする試みとして、近年はワークショップの活動にも注力する。「stilllive覚醒と幻惑」ゲーテインスティテュート東京(2022)、「―(dash)」contrail(2022)など。
福田毅(俳優)
現代演劇カンパニー、中野成樹+フランケンズのメンバー。2009年よりソロ・パフォーマンスを開始。虚実ないまぜの独特の語り口で、国内外のさまざまな場所(カフェ、ギャラリー、公園、劇場ロビー、都電車内etc.)にて作品を上演。「すみゆめ」では「アンダーカレント」(2019)、「コーパル」(2021)に出演している。
出 演橋本和加子/pinpin co(11/5)
居間 theater
東彩織・稲継美保・宮武亜季・山崎朋の4名からなるパフォーマンスプロジェクト。音楽家や美術家、建築家、空想地図作家、研究者など分野の異なる専門家との共同制作のほか、カフェ、ホテル、区役所、待合室など既存の“場”とそこにある“ふるまい”をもとに作品創作をおこなう。現実にある状況とパフォーマンスやフィクションを掛け合わせることで、現実を異化させるような独特の体験型作品をつくり上げる。
すみゆめプロジェクト企画も、11月5日に参加!