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「ソフトで公共建築を更新する」 公共建築の新しい使い方の実験と展示

企画名アップデートプラネタリウム−実験と成果展 トークイベント「建築を更新することの可能性」
団体名:アップデートアーキテクツ
開催日:2017年11月17日(金)
会 場:すみだ生涯学習センターユートリヤ ドーム(旧プラネタリウム)

登壇者:佐藤慎也(日本大学理工学部建築学科教授)、北川貴好(美術作家)ほか
モデレーター:曽我高明(現代美術製作所)

一般的な建築の更新手法といえば、リノベーション。ハードに手を加え、その時代の要求にあった建築へと生まれ変わります。一方でリノベーションではその使用用途はいくら新しくなろうとも「限定」されてしまいます。そこで今回のプロジェクトではソフトの視点で今ある建築を読み解き直し、建築の新たな更新方法を模索しています。
実際にプロジェクトを動かしてきた北川貴好と建築家でありさまざまなアートプロジェクトにも関わってきた佐藤慎也が、建築をソフトで更新することの可能性について考えます。

((問合せ))
アップデートアーキテクツupdatearchitect@gmail.com

((ステイトメント))
プラネタリウムの機械が撤去されドームだけが残った場所があります。
墨田区の生涯学習センターユートリヤというところです。
星空を映し出す機械はなくなり、代わりに、360度全天を映し出す特殊なレンズが付いたプロジェクターがあります。そのプロジェクターで、花火や、プロレス、様々な映像を映し出してみました。フレームがないので、花火は本物のように見えたり、巨人がプロレスをしているようでもありました。もう少しいろんな映像を映し出すと、面白いのもあればつまらないものもある。
いろいろ実験したくなりました。そこで、ライブで映像を映し出したり、いろんなものと組み合わせたりできないかと考え始め、いろんな人の持っているコンテンツと掛け合わせられないかと思いました。
まずは、YouTubeで探し出した動画や手持ちの映像、カメラを使ったリアルタイム中継など、映像投影の可能性を探りつつ、影絵や反響音など、ドーム空間の特徴を遊びながら見つけていきました。小屋のようなものとドームの映像の関係を作り出したり、リアルタイムで人の細部を巨大にして眺めてみたり、お茶会のようなものを想定して影軸としてドームにドローイングしたり・・・様々な実験を行いました。
そして、これらのドーム実験36景をまとめた成果展示を3日間ドームで行います。
このようなプラネタリウムのドームは全国世界に沢山あります。それらの事例をまとめた冊子を作り、将来は、そのコンテンツをいろんなドームで行う計画です。将来につなげるコンテンツにもなります。

アップデートアーキテクツは、このようにソフトによって公共建築を更新していくことの可能性を美術家を中心に様々な職能の人と作っていく団体です。公共建築は、一度プログラムを決定し動き始めるとなかなか変更できません。アートの柔軟性で、公共建築をアップデートできるのでないかとおもっています。近年各地でアートプロジェクトが多く行われていますが、ソフトの持つ柔軟性があるからこそこの動きはどんどん大きく一般的になっているのだとおもいます。今回は、プラネタリウムドームを使った実験を契機としてソフトによって公共建築をアップデートできる可能性を探っていこうと思っています。

今回のアップデートプラネタリウムはプラネタリウムドームの面白い使い方から始まり、世界中公共建築や公共空間を考える新しい動きとなるような展覧会やパフォーマンスの場となるとおもいます。


アップデートアーキテクツ 代表 北川貴好 (美術家)

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