キックオフイベント「すみゆめ踊行列」、いよいよ今週末開催!【2017年レポート】
昨年同様、今年の「すみゆめ」の幕開けを皆で華やかにお祝いするのが「すみゆめ踊行列」。イベントタイトルは、葛飾北斎が描いた《踊行列図》からとったのだそうです。この絵には7人の人物が列をなして楽しげに踊り歩く姿が描かれていて、7人を七福神に見立てることもできるのだとか。幸先のいいスタートが期待できる、何ともめでたいネーミングです。
今年の「すみゆめ踊行列」は、9月からの「すみゆめ」本格始動に先駆けて、隅田川沿いを中心とした墨田区内各所、いわゆる“すみだ”で活動するさまざまな人々が一つになって皆さんを「すみゆめ」の世界へと誘います。
イベントは2部構成。昼の部は「すみゆめフィールドワークス」と題し、墨田区を拠点に活動する方々を船頭役に“すみだ”にまつわる色んなコトを体験を通して学べるプログラムを用意しています。
隅田川の環境に関心がある方におすすめなのが、「隅田川の水を飲むにはどうしたらいいの?」。かつては上の写真のように隅田川で寒中水泳をすることもあったそう。隅田川の水を飲めるようにするための方法を探ることで、環境について改めて考える機会となるはずです。あなたのアイデア次第で、隅田川の水が飲めるようになるかもしれません。
残念ながら現状は飲料水には適していない隅田川の水ですが、一方でハゼやカニなどの生物が生息しているってご存知でしたか? 環境の変化にも対応し、隅田川でたくましく生きる生物を釣りやたも網などで採集して水族館を作っちゃおう、というのが「隅田川水族館をつくろう!」です。その生態から私たち人間も学べることが大いにありそうです。
隅田川周辺のまち歩きを楽しみたい人にうってつけなのが、「隅田川の流れに身をまかせ」と「ご当地アイドルと巡る!隅田川歩きツアー」です。前者は隅田川を北から下り、後者は南から隅田川を上がっていきます。コースの違いもさることながら、中身の雰囲気もガラッと異なる両ツアー。「隅田川の流れに身をまかせ」は、多聞寺や向島百花園など隅田川周辺の史跡や名所を巡り、その変遷を辿るウォークラリー。隅田川沿いには北斎や広重の絵のレプリカが所々に並んでいるので、そこに描かれた風景の面影を探してみるのも一興です。一方、「ご当地アイドルと巡る!隅田川歩きツアー」は、アラフォーアイドル「帰ってきたキューピッドガールズ」が案内役となり、歌や踊りだけでなく、隅田川の豆知識も織り交ぜながら皆でワイワイ盛り上がれる内容になっています。
自分で何かを作ってみたいという人は、江戸の伝統玩具「ずぼんぼ」を作るプログラムはいかが? 「ずぼんぼ」は虎や獅子の形をした紙製のおもちゃ。足の部分にシジミの殻をつけて、うちわで扇いでフワッと飛ばして遊びます。江戸時代終わりに流行った玩具で、北斎も自身の作品の中で「ずぼんぼ」を描いているのだとか。
今回は、向島にある牛嶋神社が五年に一度の大祭を迎えることにちなんで、牛の形をした「ずぼんぼ」を作る予定。どれだけ高く宙を舞う「ずぼんぼ」が作れるのか、ぜひ挑戦してみてください。
この他にも魅力的なフィールドワークを準備しています。各プログラムの詳細および申し込みはコチラからどうぞ。
日が暮れる16時からは、夕方の部がスタート。各所でフィールドワークを終えた面々が一堂に会し、前夜祭ともいえる「すみゆめオープニングパーティー」を墨田区役所前のうるおい広場と隅田川テラスで開きます。
北斎の若き日と晩年の人生を人形劇と音楽で綴ったオリジナル・パフォーマンスや、大編成のスティールパン・バンド「Panorama Steel Orchestra」によるライブなどなど、パーティーにふさわしいステージが盛りだくさん。もちろん、パーティーならではの“食”にも抜かりはありません。墨田の名店の味が集結し、一晩限りの飲茶店がオープン! どんな料理が並ぶかは、当日のお楽しみです。他にも、昼に行われたフィールドワークの成果や感想などを共有できる場や、「すみゆめ」各企画のPRタイムも設ける予定。「すみゆめ」というプロジェクトを軸に、 “すみだ”の地に集まる人々が繋がっていくお祭りを目指しています。
さらに、今年の「すみゆめ踊行列」は、全ての電力を水素カーと家庭から出た廃油でまかなうことにもチャレンジ! 隅田川が育んだ歴史や文化に触れるとともに、環境についても考えさせられるエコイベントにもなっています。
昨年の「すみゆめ踊行列」は残念ながら大雨となってしまいましたが、今年はきっと青空が広がってくれるはず。「今年こそは!」という願いを込め、たくさんのてるてる坊主を作って、皆さんの参加をお待ちしています。
老いも若きも、男も女も、“すみゆめ”のことをよく知らない人だって、この日は昼でも夜でもふらりと立ち寄って、「すみゆめ踊行列」に加わってみてください。隅田川の風景がいつもと違って見えてくるはずですよ!
レポーター:岩本 恵美(いわもと えみ)
東京・下町生まれ、下町育ちのライター・編集者。Webメディアや新聞紙面の制作に約10年携わり、2016年よりフリーランスに。アートや音楽などカルチャー全般が好きで、食わず嫌いのない雑食系です。昨年に引き続き、彩り豊かな「すみゆめ」を生き生きとレポートしていきたいと思います。