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笑いの波に揺られて【2016年レポート】

企画名隅田川クルージングシアター
団体名:即興劇集団インプロモーティブ
開催日:2016年10月16日(日)
会 場:隅田川水上(吾妻橋船着場⇔佃大橋)

みなさまこんにちは!すみゆめ活動レポーターの菅野です。

本日は水上バスにておこなわれる即興劇をレポートします!

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15時半前に集合場所の吾妻橋船着場に行くと、すでに乗船客がちらほら。本イベント主催団体である即興劇集団インプロモーティブの皆様に笑顔で迎えられ、乗船チケットと本日のイベントチラシ、飲み物を受け取って乗船を待ちます。

 

16時になりいよいよ乗船です。劇団員三上さんがチケットもぎりに使っているのは、わざわざ購入したという改札鋏。

 

船内は満員御礼!

「即興劇とはその名のとおりその場でつくる劇で、お客様からいただいた単語や台詞から劇をつくる、台本なし!打ち合わせなし!の劇」とのことですが、三上さんの説明もだいぶカミカミだったので少々不安が残りました(笑)

 

劇が始まる前にまず拍手と発声の練習です。

―「血液型はー?せーの!」 

―「Aー!」「B-!」 

お客さんから声があがります。

 

―「今日のお昼はー?」

―「今日は会場までなにで来ましたかー?」

質問に、大きな声を出しているうちに、船内は和やかに。劇を始める前のウォーミングアップになりました。

 

突然音楽が鳴りはじめます…お、これは滝廉太郎の「花」ですね。音楽も即興ミュージシャンCHIZUEさんが奏でます。横断幕には歌詞が綴られ、「はーるの うらーらーの すみだがわー♪」とみんなで歌います。

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そして最後、隅田川インプロモーティブの文字が横断幕に表示され、役者、観客、居会わせたみんなで「乾杯!!」

「よ〜そろ〜」のかけ声でいよいよ即興劇がはじまります!

 

はじめは隅田川に架かる橋の名前を使った「あいうえお」即興劇。

また「墨田区といえば?」のお題に対し、お客さんからは「スカイツリー」という言葉でシーンの設定が決まります。どんな劇が始まるのでしょうか?

 

―よ〜そろ〜―

彼女 あ「あたし」

づ「づんづんするんだ」

彼氏 ま「MAX興奮」

 ば「バンバンしてる」

彼女 し「しっかりつかまえて」…

カップルがスカイツリーの高さに耐えながら、会話をしています。

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「吾妻橋」の頭文字で台詞をどうにか造り出そうとしている役者に、観ている側までドキドキしてしまいます。

橋の名前であいうえお即興劇は、最後キスをして幸せになるという結末で締めくくりました。

 

続いてはひとつのシチュエーションを異なる時代で演じる即興劇です。舞台は隅田川、時代はお客さんに決めてもらいます。

ひとつめ「昭和」…それほど昔ではないですね。

ふたつめ「安土桃山」…!?勉強不足でイマイチどんな時代だったのかわたしは分かっていません(笑)加えてこの劇には「趣味や、やりたいことは?」というお題に対し、お客さんが答えた「バイク」の要素が組み込まれるようです。

 

―よ〜そろ〜―

 

「昭和」では、隅田川を境に台東区側と墨田区側で、バイクに乗った暴走族が言い争う劇になり、「安土桃山」では馬にのった織田信長が吾妻橋で出くわした寧々を娶とるという即興劇になりました。

 

ここで少々ブレイクダウン。俳優のよっしーさんとしのぶさんコンビがスカイツリーとアサヒビールの金のオブジェに扮して登場です。船内の天井が低く、スカイツリーの避雷針が折れそうになっていました。

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続いては川沿いに並ぶ看板の文字を見ながら、台詞を考えていくというもの。最初に目についた看板の「アパホテル」で、ベテラン社員と社長と新入社員が登場する話になりました。

ここで、お客さん全員参加、各テーブル対抗のクイズコーナーです。出題に対して、チームメンバー全員が1文字ずつ解答を埋めていきます。「アサヒビールさんの金色オブジェ「フラムドール」の意味は?」という質問があり、わたし自身答えは分かっていたのですがひとり一文字なので…チームの解答は「ほっけ」になりました(笑)(正解は「ほのお(炎)」)。

残念ながら優勝にはなりませんでしたが、あんこあられをいただきました。

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佃大橋の手前で水上バスはUターン。いよいよ後半戦です。永井荷風の小説『すみだ川』に出てくる台詞が書かれたカードをランダムにつなげて即興劇を展開していきます。

 

そして最後は、オリンピックのために花火師親子がオリジナル花火を打ち上げるというもの。

予算がなくて墨田区役所に頼るものの出資金は50万円しか貰えず、頭を抱える親子二人…いい案があると出てった息子はなんとフラムドールを持ち返り、墨田の夜空にフラムドールが無事打ちあがりました。

 

即興劇を鑑賞するのは初めてでしたが、終始大笑い。役者が台詞を捻り出そうとしているときは息を呑んで見守り、シーンにぴったり合う台詞が飛び出すと「お〜」と感嘆の声をあげたりと、観客も劇に引き込まれます。お客さんのダイレクトな反応があり、即興劇の醍醐味であり役者の力量が試されるところなのだと思いました。台本も小道具もなしで劇団員と観客だけでつくりあげる即興劇の面白さに魅了された1日でした。新しい隅田川の楽しみ方が、これからも増えるといいですね。

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レポーター:菅野瑛美(かんのえいみ)

 

墨田区生まれ墨田区育ち。すみゆめ活動レポーターが初めての執筆活動となる。趣味はアートと旅行とおいしいものを食べること。アート好きが高じて、現在アートマネージャーとして展示を手がけるなど多岐に活動をしています。

○2017/2/9㈭~2/14㈫ 国立市アートイマジンギャラリー

芸術の存在意義「展」No.25にてギャラリートーク

○2017/5/1㈪~5/7㈰ 下北沢バロンデッセギャラリー

「ROOM」展 (http://room.patinadoll.com/) 

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