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大人も子どもも白熱の「どんどこ!」大一番。力を合わせて巨大紙相撲【2019年イベントレポート】

2019.10.13 | レポート

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企画名KOSUGE1-16 「どんどこ!巨大紙相撲~両国すみゆめ場所」
  • 団体名 : 「隅田川森羅万象墨に夢」実行委員会
  • 開催日 : 2019年10月13日 (日)
  • 会場 : YKK60ビルAZ1ホール(墨田区亀沢3-22-1)

入り口に並ぶ力士名が書かれたのぼり、土俵の上には吊り屋根、「テテンテンテン」と響く寄せ太鼓。

両国国技館から徒歩15分のYKKビルでは、この日“紙相撲が行われていました。

土俵に上がるのは、ダンボールでつくられた大きな力士たち。

「はっけよーい、のこった!」という行司の掛け声とともに、土俵の周りに陣取った人たちがドンドコ土俵を叩き力士を動かす、「どんどこ!巨大紙相撲~両国すみゆめ場所」の様子をお伝えします。

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力士は区内4つの部屋から、総勢30体が出場。子どもたちが作った個性的な色や形の力士たちは、リーグ戦を経て、決勝トーナメントへと駒を進めていきます。

目指すは優勝、そしてずらりと並ぶ懸賞品の数々!

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「いろいろな場所で紙相撲やってきましたけど、こんなに谷町さんが集まったのは初めてです。」

そう話してくれたのは、今回の紙相撲大会を企画した美術家ユニットKOSUGE1-16の土谷さん。参加者が相撲をとる様子を嬉しそうに見守っているのが印象的でした。

「ただのスポンサー的な関係ではなくて、受け取る相手のことを考えた愛のある賞品が並んでるんですよね。もちつもたれつ、墨田に支え合う文化があるのが垣間見れてよかったです。」

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会場に並ぶ2つの土俵では、次々と紙相撲が執り行われていきます。

押し出し!寄り切り!寄り倒し!

繰り広げられる熱戦を本格的に解説してくれるのは、浦風親方とフリーアナウンサーの下角陽子さん。

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対戦の順番が回ってくると、小さな子どもたちが大きな力士を背負って登場していきます。

ドンドコドン!と土俵を叩く大きな音がホールに響くなか、白熱のあまり物言いが入って取り直しをする対戦もちらほら。

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たくさんの力士のなかでも、熱心にドンドコ土俵を叩き参加しているのが「なすの丸」をつくったというお父さん。

対戦が落ち着いたところで、話を聞かせてくれました。

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「息子の通っている小学校のあたりで、寺島なすっていうのがよく採れるみたいなんです。息子と相談して、せっかくだから地元のものにしようってことになりました。勝ち負けにはこだわらずにきたんですけど、ベスト4まで入れて満足です。」

「なすの丸」を破ったのは、仲良しハグが得意技だという「にゃんこ山」。ナスとネコの対決。冷静に考えると、なんだかシュールです…

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決勝に進んだ「にゃんこ山」の対戦相手は、紫と赤の身体が目立つ「めだま宇宙人」。

全身に目玉が描かれていて、ほかの力士と比べても異彩を放っています。

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「ひがーしー、にゃんこやーまー、にゃんこーやーまー」

「にーしー、めだまうちゅうじん、めだまうちゅうーじーんー」

決勝戦になると、呼出しで2度名前が呼ばれるものなんだとか。

ドキドキしながら見守っていると「はっきょーい、のこった!」と決勝戦が始まりました。

っと思ったら、あっという間にキラキラ橘部屋の「めだま宇宙人」が勝利!

「圧倒的に勢いがあって、寄り出しましたね。すばらしい取り組みでした」と解説の浦風親方。

会場からは座布団が舞い飛びました。

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「めだま宇宙人」をつくったのは、元気な2人兄弟。興奮冷めやらぬ中、ヒーローインタビューを行います。

お疲れさまでした。勝因はなんだったんでしょうか?

「勝ったことはね、家で頭が痛くなるまで叫びそう。すっごいうれしかった!」

「とにかく気持ち悪いのにしたくってね、めだま宇宙人になったんです。次つくるときは、もっと気持ち悪いやつにします!」

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子どもたちが夢中になって熱戦を繰り広げるなか、「寄せ太鼓」や「呼出し」、そして「弓取式」など随所に本格的な相撲の要素が散りばめられていた今回のイベント。

両国国技館が近くにあるとは言え、実際に相撲を観戦したことのない人も多く、相撲の文化に触れる機会にもなりました。

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当日行司を務めていたのは、元力士・男女ノ里(みなのさと)の岡田さん。実はご近所にお住まいなんだとか。

「強そうな形をしていても、組み合わせによって対戦が全然違って。巨大紙相撲の奥深さを感じましたね。すごくおもしろい試合をみせてもらいました。次回はちょっと研究して、戦う側として参加したいです。」

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最後に改めて、企画者であるKOSUGE1-16の土谷さん。

「お父さんが一生懸命つくった力士が、子どもがつくったものにあっさり負けたりするんですよね。いろいろなハプニングが起きるのが、現代アート的な要素になっているんだと思います。」

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「大相撲の力士って、谷町さんとか地域や部屋の仲間と一緒に生活をして、育ててもらうんですよね。昔からの無形文化的な、支え合う仕組みが根強く残っているんです。」

「巨大紙相撲も力士を大きくすることで、みんなで力を合わせてつくることになります。試合も大勢で叩いたほうが元気よく力士が動く。そういう意味で、コミュニケーションを誘発していくためのきっかけになっていたら嬉しいです。」

表彰式では、谷町さんたちからの愛のある懸賞品をたくさんもらった子どもたち。中には、愛着の湧いた力士を持って帰りたいと名乗り出る親子もいたようです。

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にぎやかなイベントのなかに、支え合う関係が垣間見れた今回のイベント。すでに来年の策を立てている子どもたちもいて、どんな力士が活躍するのか、次回が楽しみです。

レポーター:中嶋希実
1985年生まれ、茨城・取手育ち、龍ケ崎在住。川沿い畑付きの家で暮らしながら、東京と茨城と出張先あたりにいます。話を聞いたり、書いたり、動かしたりしながらいくつかのプロジェクトに関わっています。ときどきチャイ屋「きみちゃい」をひらきます。


KOSUKE1-16「どんどこ!巨大紙相撲〜両国すみゆめ場所」の記録映像が完成しました!
墨田区内の4つのエリアを巡業して制作した、身長180センチのダンボール製力士、総勢30体が両国に集合。個性豊かな巨大紙相撲力士による熱い対戦をぜひご覧ください。