レポート

すみだと弘前がつながり、混ざり合う「北斎祭り」

2019.10.19 | レポート

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企画名北斎祭り
  • 団体名 : 北斎通りまちづくりの会
  • 開催日 : 2019年10月19日 (土)
  • 会場 : 緑町公園・すみだ北斎美術館MARUGEN100(講座室)(墨田区亀沢2-7-7)、ヨシダ印刷東京本社(墨田区亀沢3-20-14)、北斎通り(江戸東京博物館前から大横川親水公園まで)

北斎祭りは、墨田区の亀沢地区で2006年にはじまったお祭り。2016年にすみだ北斎美術館が開館したこと、その地は江戸時代に弘前藩津軽家上屋敷跡地があったことなどがきっかけとなり、2017年からは青森県弘前市からねぷたを招いて、北斎通りを運行するようになりました。年々増しつつあるという賑わいと、地域内外の人々が重ねてきた交流の豊かさをうかがい知ることができた今年の様子をお伝えします。

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今年の北斎祭りは1019日(土)。朝方に降った雨で一部のプログラムが変更となりましたが、昼の部(10:00〜)から、会場となったすみだ北斎美術館や緑町公園などへ次々と人が集まってきました。地域で活動する文化団体等による音楽体験やものづくりワークショプ、パフォーマンス、地域の方々による出店や弘前市の物産販売、ねぷた絵師による公開制作などが始まります。

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親子連れに人気のワークショプ「金魚ねぷた製作」は、提灯のように手で持てる金魚ねぷたに思い思いの色をつける体験。あらかじめ金魚型に骨組みされた真っ白な和紙に鮮やかな色を重ねていくと、蝋が塗られた部分が絵具をはじき、いい塩梅に白地の模様が残り浮かび上がります。

img_7660-small色とりどりの金魚ねぷたは、吊るして乾燥させます

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ヨシダ印刷 東京本社の一角では、ねぷた絵師・三浦呑龍さん(津軽錦絵作家協会 会長)による「生ねぷた絵描き」(ねぷた絵の展示と公開制作)。床に敷いた大きな下書きの上に、シンプルな道具で手際良く色を重ねていきます。基本的には障子紙を使い、下絵は鉛筆、そこに墨と染料・水で濃淡を調整しながら仕上げていくとのこと。着色後に蝋で紙を補強したり、光をやわらげる効果を狙うこともあるそうです。

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ここで弘前市観光課の粟嶋博美さん、元・すみだ北斎美術館学芸員の五味和之さんによるトークも行われ、墨田と弘前のつながりやねぷた祭りについての解説も聞くことができました。ねぷたに多く用いられる武者絵は北斎が得意としていた図柄であり、江戸土産となっていた浮世絵に影響を受けて、弘前でもねぷたに取り入れられるようになったのではないかという見識も。実際にねぷたを見るのがとても楽しみになります。

img_7749亀沢一丁目町会による模擬店(緑町公園)

img_7789弘前市の物産販売(緑町公園)

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img_7696すみゆめにも参加している、ずぼんぼプロジェクトによるワークショプ「北斎も描いた江戸のおもちゃ・ずぼんぼを作ろう」(すみだ北斎美術館)

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img_7796タイル工房ハレホヌハワイによるワークショプ「北斎絵画のモザイクタイルを作ろう」

img_7764墨田区を拠点として活動するNPO法人トッピングイーストによるワークショプ「ちびっこ集まれ!インドネシアのガムラン体験」(緑町公園)

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夕暮れが近づくと、いよいよねぷたの運行です。公園の前を通る北斎通りが通行止めとなり、大きな3つのねぷたが現れます。そのうちの1つは、なんと漫画家・しりあがり寿がアイデアを出し、弘前の組ねぷた制作団体が協力して今回特別につくりあげた「ちゃんこねぷた」です(※)。力士、東京スカイツリー、りんご、弘前城、ちゃんこ鍋・桜といったふたつの地域を代表する要素が見事にひとつのねぷたとして形になっていました。

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お囃子の演奏がはじまり、威勢のよい掛け声を織り交ぜながら、ねぷたの運行と練り歩きがはじまります。両国の江戸東京博物館前から大横川親水公園まで。北斎通り1kmを折り返すルートです。

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沿道は見物客であふれていました。通り沿いのマンションからも住民が顔を出しています。ねぷたはそれぞれに回転・上下したり、変形する機能を持ち、どの角度からでもその様子を楽しむことができました。

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信号をよけたり、電線の低い場所を通る時にはさらに形を変えてまた元に戻るなど、引き手や先導役の絶妙なコンビネーションも見どころです。

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完全に通行止ができない三ツ目通りでは、時間を調整して一気に通過します。ほどよい緊張感の中で、すみだと弘前、それぞれから参加しているねぷたの引き手と観客に一体感が生まれていました。

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最後は緑町公園前で締めのお囃子と挨拶。ねぷたも見納めとなります。

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「ちゃんこねぷた」には、カメラで撮影したお客さんの顔をその場でねぷたに映し出す技術も。運行後も撮影スポットとして人気を集めていました。

すみだと弘前のつながり、それぞの地域にあるものづくりの技術やアイデア、人々の新しい交流を感じることのできる1日でした。

「ちゃんこねぷた」は、1020日(日)~113日(日)の期間、YKK60ビルアトリウム(墨田区亀沢3-22-1)でも展示%e3%81%ad%e3%81%b7%e3%81%9f%e5%b1%95%e7%a4%ba

※しりあがり寿アイデアの「ちゃんこねぷた」は、「北斎コネクト:隅田川を超えて」の一環です。同事業は内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の委託により、2019年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査として実施しました。

レポーター:橋本誠
1981年東京生まれ。アートプロデューサー。2009〜2012年、東京文化発信プロジェクト室(現・アーツカウンシル東京)のプログラムオフィサーとしてアートプロジェクト「墨東まち見世」などに関わる。2014年に一般社団法人ノマドプロダクションを立ち上げ、現代社会と芸術文化をつなぐ多彩なプロジェクトの企画・運営・ツール制作・メディア運営などを手がけています。http://nomadpro.jp/


北斎祭りやずぼんぼプロジェクトについては、すみゆめ参加団体クロストーク レポートもご参考ください。

・創造的なお祭りがまちの日常を豊かにする「寺島・玉ノ井まちづくり協議会」と「北斎通りまちづくりの会」https://bit.ly/2s4nRXg

・すみだの地域資源を掘り起こす「雨水市民の会」と「ずぼんぼプロジェクト」https://bit.ly/2r3TnnQ